神様紹介

自作ゲームに登場する日本の神様を、頑張ってまとめてみる。

[ツクヨミ]

漢字では、月読尊(ツキヨミノミコト)等と表記されます。名前だけは聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

姉のアマテラス、弟のスサノオと並び、三貴神という偉い神様らしいです。父はイザナギというサラブレッド。血筋は誰もが認める最高レベル。

しかし、この神様…謎!偉いのだから、何かすごい逸話があったっていいですよね。

古事記にはこれといったエピソードはなく、日本書記で少し出てくるのですが、そのエピソードも食事を提供した神をぶった斬るという(まあ、食事の提供方法に問題があったりするのですが…お食事中にあまり良くない話なので割愛!)、物騒というか、単なる神様殺し!?みたいな話です(しかも、古事記のスサノオと被る…あっちは沢山エピソードがあるというのに)。

性別すら記載がないので、一般的に男性とされることが多いようですが、ゲームとかでは女性で出てくることもありますね。

謎ってことは、逆に言えば、設定なんでもありですよね?ですよね?実は宇宙人とか、中二病設定とか、ヤンデレとか…想像力ないし妄想力が膨らみます。

[スサノオ]

漢字では、「素戔嗚尊」(スサノオノミコト)等と表記されます。スサノオといえば、有名なのはやはり、八岐大蛇(ヤマタノオロチ)退治ではないでしょうか。惚れた女(クシナダ)が生贄に出されるということで、怪物と戦ってお嫁さんゲットなんて、ヒーロー中のヒーロー。勇者様にも勝るとも劣らないかっこよさ(あっちはお楽しみしちゃいますが)。男の中の男と言っても過言ではない。

…いやいや、とんでもない!日本の神様界でも1、2を争う困ったちゃんでもありました。例えば、父(イザナギ)より海原を治めてこいと言われても、死んだ母(イザナミ)の黄泉の国に行きたい泣き叫んで拒み、遂には追放されるマザコンぶりを発揮します。また、自分でも制御できない程の怪力の持ち主であり、暴れまくって、姉のアマテラスを天の岩戸に引き籠らせてしまったりと、もう大変。

ヒーローとしての側面と、人間っぽい側面を併せ持つからこそ、愛される神様なのかもしれません。

[アマテラス]

漢字では、「天照大神」(アマテラスオオミカミ)等と表記されます。興味ない人でも、名前だけは知っている神様の代表格ではないでしょうか。有名なエピソードとしては、「岩戸隠れ」が挙げられるかと思います。スサノオの紹介でも挙げましたが、スサノオの乱暴ぶりに嘆いたアマテラスは、天岩戸(アマノイワト)に篭もってしまいます。アマテラスが日の神であったため、これにより陽の出ない日が続き、神様の世界はパニック。オモイカネが知恵を出し、皆で協力してどうにか岩戸から引きずり出し、めでたく世界に明るさが戻りましたと。

引きこもりという悩ましい問題は、この古き時代からあったのでしょうか。しかも、家族が困るどころの騒ぎではなく、世界を大パニックに陥れるので破壊力抜群です。スサノオ以上に困ったエピソードを持つ彼女ですが、天孫降臨など重要なお話に絡んできますので、日本神話の主役級であることは間違いないでしょう。

あと、実はツクヨミと同じように、男神か女神か見解が分かれているようです。古事記や日本書記では女神として書かれているようですが、偉い学者さんでは男神の説が強かったり。でも、やっぱり…キレイで清楚なお姉さんであってほしい。

[イザナギ]

漢字では、「伊邪那岐」等と表記されます。「邪」という禍々しい感じが入ってしまうのはなぜなのか…。この神様も、名前だけは知っている人も多いのではないでしょうか。後に妻となるイザナミと共に産まれ、日本の国産みを担当しました。そして、多数の神々をイザナミと共に産み、一人になった後もアマテラス、ツクヨミ、スサノオを産みだしました。まさに神々の大親父…といった感じでしょうか。

しかし、スサノオという問題児を抱えるように、この神様も結構な問題児。イザナミが火の神カグヅチという神を産んだ際、イザナミが火傷してしまい死んでしまったのです。イザナギは怒りのあまり、カグヅチを切り捨てちゃうんですよね。まあ、気持ちは分からなくもないけど…いかんでしょ。

イザナミを亡くしたイザナギは、イザナミ恋しさに死者の住まう黄泉の国へ行くことに。どうにかイザナミと会うことはできたものの、あなたと一緒に帰れない、自分の姿を見ないでくれと。いやいや、そんなの耐えられないとイザナミの姿を見てしまったが、何と腐りはてたイザナミの姿。そんな姿を見たイザナギは驚いて逃げるのですが、イザナミも怒って手下に彼を追いかけさせる。イザナギはどうにか逃げたのですが、怒ったイザナミは毎日1000人殺すと物騒な発言を。いやいや、イザナギも黙ってない、なら自分は毎日1500人の子を産むという、まさかの絶倫宣言。…もう、規模が桁違いすぎる夫婦喧嘩ってところでしょうか。

[イザナミ]

漢字では、「伊邪那美」等と表記されます。まさに神々の母というべき存在でしょう。イザナミはイザナギと共に、大地を完成させる「国産み」を行い、淤能碁呂(オノゴロ)島ができました。二人はこの島に降り立ち、結婚し、「神産み」と呼ばれる沢山の神の子を産みだしたのです。

この時に産まれた子の数は数十人はいるのですが、途中で火の神カグヅチを産んだ際に陰部に火傷を負ってしまいます。その火傷に苦しみ際の吐しゃ物からも、様々な神が産まれたのです。そして、イザナミは命を失い、黄泉の国へと行ってしまいました。

イザナギはイザナミの死を悲しみ、その涙からも新たな神が産まれました。また、イザナギは黄泉の国から帰還した後、穢れを落とし、左目を洗った際にアマテラスが、右目を洗った際にツクヨミが、鼻を洗った際にスサノオが産まれました。

…あれ、と思いませんでしたか?実は、イザナミが亡くなった後、夫のイザナギ一人で結構頑張って神々を産んでいるのです。しかも、アマテラス達はイザナギの身体を洗った際に産まれたもので、イザナミは実は彼女らの誕生に絡んでいない。日本書記では誕生に絡んでいるようなのですが、ちょっと可哀想な取り扱いですよね。

【オモイカネ】

漢字では「思兼神」等と表記されます。「オモイ」は思慮、「カネ」は兼ね備えるということで、

知恵の神、学問の神として信仰されています。有名な話としては、アマテラスが天の岩戸に隠れた際に、彼女を外に出すための知恵を神々に授けたというお話でしょうか。

その方法は、ざっくり次のとおり。

1.鳥を多く集めて、間断なく鳴かせる

2.岩から鉄鉱石を採掘させ、その鉄鉱石からイシコリドメに鏡を作らせる

3.タマノオヤに命じてたくさんの勾玉を用意する

4.アメノコヤネとフトダマに占いをさせ、良い日取りを決める

5.作った勾玉と鏡で玉串を作り、祝詞(のりと)を読み、肌を露わにしたアメノウズメを躍らせ、場を最高に盛り上げる

6.何の騒ぎだと気になったアマテラスを、タヂカラオが岩戸から強引に連れ出す

…めんどくせーーー!!!

他のエピソードとしては、天孫降臨という重要な出来事の際に、ニニギに同伴していると言われます。

【サクヤ】

漢字では「木花咲耶姫」(コノハナサクヤビメ)等と記載されるようです。木の花が咲くように美しい女神と言われています。

夫は天孫降臨で有名なニニギで、彼と姉のイワナガの関係については有名なエピソードがありますが、それは別の機会に。

さて、ニニギと結婚したサクヤは、一晩で彼の子を身籠りました。しかし、ニニギはこれは日本土着の神(国津神)の子ではないかと疑いました。

疑われたサクヤは、神の世界の子(天津神)であればどのような場所でも子が産まれると言い、自分のいる産屋に火を放ち、無事出産しました。

三人の子が産まれましたが、その内の二人が、有名なヤマサチヒコとウミサチヒコです。このような火中出産のエピソードから、火の神としても祀られています。

【スクナヒコナ】

漢字では「少彦名」等と記載されるようです。中つ国(ナカツクニ)と呼ばれる、今の中国地方を平定するオオクニヌシの国造りに協力した神として、よく知られています。もう、それは二人は常に一緒で…仲が良かったようで…その関係は…あ、いけません、悪い癖が出そうでした。

さて、スクナヒコナはオオクニヌシと一緒に国々をまわり、人々や家畜の病気の治療法を定め、また稲や粟の栽培方法、鳥獣や昆虫の害から穀物を守るためのまじないの法を定めました。

意外なところでは、愛媛県の道後温泉との関係もあります。道後温泉は、千と千尋の神隠しのモデルとなった場所でも有名ですね。伊予の国(今の愛媛県)を訪れた際、スクナヒコナが旅の疲れで倒れました。オオクニヌシがスクナヒコナを温泉に浸したところ、元気になったことが起源と言われています。

また、オオクヌニシの国造りに際し、ガガイモという植物の船に乗って来訪したそうです。植物の船に乗れるほど小さいことから、一寸法師のモデルになったとも言われています。結構私たちに身近な神なんですよね。

【キクリヒメ】

漢字では「菊理媛」等と記載されるようです。色々なゲームで登場することもあり知名度もあるようですが、実際には日本書紀にわずかに出てくるだけだったりします。

イザナミを亡くしたイザナギが、恋しさの余りに黄泉の国に行くのですが、イザナミの変わり果てた姿にびっくりして逃げ出します。遂にはイザナミに黄泉比良坂(ヨモツヒラサカ)で追いつかれ、イザナギと口論となります。そこにキクリヒメが現れ、仲裁をして、それぞれが元の世界に戻るのです。

…え、どんな仲裁をしたって?いや、それが書いてないんですよねー。まあ、とにかく無事仲裁ができたということで、縁結びの神とされています。

さて、日本神話ではかなりあっさりした登場ですが、キクリヒメには白山(ハクサン)信仰との関連があります。白山信仰とは、白山(現在の石川県、福井県、岐阜県辺り)の山岳信仰と修験道が融合したもので、白山神社は全国各地にあります。そして、その神社の多くで祀られているのが、キクリヒメなのです。

…え、なんでキクリヒメが白山神社で祀られるようになったかと?いや、その経緯もよく分からないんですよねー。

まあ、ミステリアスな女神様ということでいいんじゃないでしょうか。

[クシナダ]

漢字では、櫛名田比売や奇稲田姫(いずれも「クシナダヒメ」)と表記されます。有名なエピソードは、やはり八岐大蛇(ヤマタノオロチ)退治に巻き込まれる話ではないでしょうか。そのイメージもあってか、ヒロイン等で扱われる創作作品も多いですよね。

高天原(タカマガハラ)という神の国を追い出されたスサノオは、今の日本でいう島根県の出雲地方に降り立ちました。そこで、頭が八つ、尾も八つあるという巨大な蛇の化け物に、毎年娘を生贄として差し出している夫婦と出会います。クシナダはその夫婦の間に生まれた八人の娘の最後の一人なのです。スサノオはクシナダに一目ぼれをしてしまい、結婚を条件に八岐大蛇退治を申し出ました。

スサノオはクシナダを歯の多い櫛に形に変えさせ、自分の髪にその櫛を挿しました。そして、八つの酒樽を用意し、八岐大蛇のそれぞれの首に酒を飲ませ、酔いつぶれさせます。作戦通り酔って寝てしまった八岐大蛇の首を、スサノオは剣で切り落としていき、めでたく退治…と。

…あれ、結局、クシナダは櫛に変えられたのはいいけど、結局何のためだったのかってなりますよね。一般的に、櫛に姿を変えたからクシナダ姫と言われていますが、実はその理由ははっきりと書かれていません。これは、小さな櫛に変えて八岐大蛇に食べさせなくするためとか、櫛には八岐大蛇に対抗する霊的な力が備わっているとか、色々な説があるようです。

名前は聞いたことがある人も多いでしょうけど、実ははっきりとしたエピソードがない悲劇の姫…なのかもしれません。

【アメノコヤネ】

漢字では「天児屋根命」等と記載されるようです。さて、この神様…主だったエピソードは実はあまりないんですよね。「オモイカネ」でも紹介しましたが、天の岩戸を開く際の良い日取りを決めたことや、「天孫降臨」でニニギらと一緒に葦原中国(アシハラナカツクニ)に降り立ったことくらいでしょうか。

しかしながら、実はこの神様、「中臣」氏の祖神(祖先である神)と言われています。有名なのは、中臣鎌足(なかとみのかまたり)ではないでしょうか。歴史の教科書では大化の改新(飛鳥時代)で必ず出てきますね。

そして、名前の「コヤネ」とは、小さな屋根という意味で、託宣の神の居所とされています。実際、中臣氏は宮廷では祭祀を司り、祝詞を唱える役目を担っていたとされます。そのため、「中臣」とは神と人との間を取りもつという意味とされ、後の藤原氏に春日大社(奈良市)に勧請され、一般には「春日さま」と呼ばれ、親しまれています。

そういう意味で、あまり知られていないかもしれないけど、すごいありがたい神様なのです!

【タヂカラオ】

漢字では「天手力男神」(アメノタヂカラオ)等と記載されるようです。名前に「力」という漢字が入っているとおり、力強い神として有名で、アマテラスが天の岩戸に隠れた際に、彼女を力ずくで外に引きずり出す最後の重要な仕事を任されたのです。

更にすごいのは、アマテラスを引きずり出した後でした。彼女が入っていた岩戸をポーンと投げたのですが…天の岩戸があったのは高千穂の辺り(宮崎県北部)、岩戸が落ちたとされるのは戸隠という長野県の辺り。何百キロも先に岩戸を投げてしまったのです。いやーよく、アマテラスは引きずり出されるときに吹き飛ばされませんでしたね。

力の象徴である彼は、日本人に広く愛されていました。スポーツの神としても信仰されているようで、勝負前にお参りすると良いことがあるかも!?

【アメノウズメ】

漢字では「天宇受賣命」(アメノウズメノミコト)等と記載されるようです。

有名なエピソードは、なんといっても天岩戸に関するものでしょう。天岩戸に閉じこもったアマテラスを外に出すために、オモイカネから策を授かります。その方法が…まあ、まともに書いてしまうと色々問題がありそうで、要は「セクシー」な格好で天岩戸の近くで踊りました。その踊りを見た神々が笑い、はしゃいでいると、その様子が気になったアマテラスが岩戸からそっと顔を出したとき、力自慢のタヂカラオが彼女を引きずり出しました。このエピソードが強烈なインパクトがあったのか、アメノウズメは芸能の神として慕われています。

これだけでも結構インパクトがあるのですが、天孫降臨の際のエピソードも有名です。アメノウズメも天孫降臨で一緒に葦原中国(アシハラナカツクニ)に降り立った神様ですが、降り立ったところに怪しい神様がいました。あなた誰と聞いても答えないので、アメノウズメが再度「セクシー」な格好で聞くと、ようやく口を開き、サルタヒコという地上の案内係の神であると告げました。夫婦になったと言われますが、アメノウズメのような高天原(タカマガハラ)の神を「天津神(アマツガミ)」、サルタヒコのような土着の神を「国津神(クニツガミ)」と言いますが、違う国同士のカップルということとになります。

【フトダマ】

漢字では、「布刀玉命」(フトダマノミコト)等と表記されます。「フト」は美称で、神聖な儀式等で使う立派な玉の持ち主というのが由来だそうです。

アマテラスが天岩戸に隠れてしまった際、アメノコヤネと共に、岩戸から外に出す方法についてこれでよいか、太占(フトマニ)を行ったそうです。太占とは、古代日本で鹿の骨を焼き、その焼き目の模様や表面の割れ方で占う方法です。イザナギとイザナミが神産みの際、高天原(タカマガハラ)の神に、いかにして良い子を得られるか問いかけた際にも、この太占をしてもらったそうです。

そして、アマテラスが天岩戸に引き出された後、フトダマは岩戸に縄を掛け、二度と利用されないように祈ったそうです。これが神社に掛っている注連縄(シメナワ)の由来とされます。

あと、フトダマも、アメノコヤネ、イシコリドメ、アメノウズメ、タマノオヤら五伴緒として、「天孫降臨」でニニギらと一緒に葦原中国(アシハラナカツクニ)に降り立ちました。

…はい、エピソードは以上です。うーん、アメノコヤネと共にあんまりパッとしませんでした。

ちなみにですが、フトダマは「忌部」氏の祖神と言われています。忌部氏は、中臣氏とともに朝廷の祭祀を司っていました。古事記や日本書紀ではアメノコヤネの方がフトダマよりも重要な役割を担っているそうですが、これは編纂当時の中臣氏と忌部氏の勢力差を反映していると言われています。こんな所にも政治の影響力ってあるんですね。

【ワカヒルメ】

漢字では、「稚日女尊」(ワカヒルメノミコト)と表記されます。

エピソードとしては、スサノオの乱暴狼藉により亡くなったというものでしょうか。アマテラスとスサノオが誓約(「うけい」と読みます)をし、これに勝ったスサノオが調子に乗って、暴れん坊になります。スサノオは、アマテラスの田の畔(あぜ)を壊し、神殿を糞でまき散らしました(お食事中の方すみません)。

最後に、アマテラスの衣を機織りしていたワカヒルメのいる機織り小屋に、赤馬の皮を剥いだ死体を投げ込んだのです。これに驚いたワカヒルメは女性器を傷つけて死んでしまいます。

…で、これで終わってしまえば、だから何なの?って話になりますが、この出来事が、乱暴なスサノオの行状を嘆いたアマテラスの天の岩戸事件を引き起こしたと言われるのです。彼女の死も無駄ではなかった…?

【ナキサワメ】

漢字では、「泣沢女神」等と表記されます。

イザナギとイザナミの日本の国産みの際に、沢山の神様が誕生しました。しかし、イザナミが火の神であるカグヅチを産んだ際、陰部に火傷を負ってしまい、亡くなりました。イザナギがイザナミの死を嘆き、枕元に腹這いになって泣き悲しんだ時の涙から産まれた神と言われています。

はい、エピソードは以上です。…いや、本当に古事記や日本書紀にこれ以上記載ないんです。

それで終わってしまうと本当に彼女が泣いてしまうので、こんな話を。「泣き女」という風習をご存じでしょうか。日本でも古来より、死者を弔う儀式等で涙を流す専門の巫女さんがいました。その役割は、死者の霊魂を鎮めるもので、大切な役目だったそうです。その巫女さんが神格化したのが、ナキサワメではないかとも言われています。

【タゴリ】

漢字では、「田心神」と表記されます。

古事記では「タギリヒメノミコト(多紀理毘売命)」とも呼ばれます。海の道を司る重要な神様と考えられています。

宗像三女神の一柱の長女であり、宗像大社の総社(辺津宮)から朝鮮半島に向けて並ぶ島の沖ノ島の「沖津宮」に鎮座しております。沖ツ島は「神の島」と呼ばれ、島全体がご神体であり、女人禁制で女性の立ち入りができなません。世界文化遺産に登録され、男性でも上陸許可が出るのが非常に厳しくなったようです。

なぜ女人禁制になったのか…諸説あるようですが、この神様が非常に嫉妬深いことに原因があると言われています。古事記では、オオクニヌシと結婚し、シタテルヒメ他一柱の神を産んだとされています。オオクニヌシは女性と数々の浮名を流しており、嫁いだはいいものの、嫉妬で戻ってきたという話も。…まあ、嫉妬深くなくても、普通の感覚だったら嫌ですよね、こういうの。

【タギツ】

漢字では「湍津姫」等と表記されます。

宗像三女神の一柱の二女であり、宗像大社の総社(辺津宮)から朝鮮半島に向けて並ぶ島の大島の「中津宮」に鎮座しております。長女タゴリの鎮座する「沖津宮」よりは日本列島側にあり、大島は沖ノ島と異なり入島制限はありません。そのためか、大島の北側の断崖絶壁に沖津宮遥拝所というのが設けられており、そこから沖ノ島の沖津宮を拝むことができるようになっています。

「タギツ」は「滾つ」という水が激しく動くという意味があるとされ、姉と同様に海の神様として祀られています。…そして、悲しいことに、姉や妹と比べて、彼女固有のエピソードはあまりありません。それじゃああんまりなので、七夕祭りの話でも。

大島では旧暦の7月7日(現在の8月7日)ころに、盛大な七夕祭りが行われます。七夕祭り発祥の地とも言われ、その歴史は鎌倉時代まで遡ることができるそうです。境内を流れる川は天の川と呼ばれます。ということで、この神様も、恋愛事情には敏感だったりするんじゃないのかなという妄想があったりします。

【イチキシマ】

漢字では「市杵嶋姫命」等と表記されます。

宗像三女神の一柱の三女であり、福岡県宗像市の宗像大社の総社である「辺津宮」に鎮座しております。「宗像大社」とは、先に紹介した沖ノ島の「沖津宮」、大島の「中津宮」、そしてこの「辺津宮」の総称になります。彼女も姉たちと同様、海や道を司る神であるとされています。

宗像三姉妹はいずれも美人でしたが、特にこの三女の美しさは際立っていたと言われます。その影響もあってか非常に人気のある神様であり、後の神仏習合により、七福神の一柱でもある弁財天と同一視されるようになりました。弁財天は元々インド発祥で何の繋がりがあるのかと思いますが、弁財天も水の女神と言われ、共通点もあるんですよね。

古事記では「サヨリビメ」という異名もあります。「サ」が「稲霊(いなだま)」を意味しており、農業の神という側面もあるそうです。古来の日本人は、海や山の向こうから穀物の霊がやってきて、畑の作物に宿り穀物が育つと考えていた名残だそうです。

【イワナガ】

漢字では、「岩長姫(いわながひめ)」等と表記されます。

オオヤマツミの子で、妹にサクヤ(コノハナサクヤビメ)がいます。

有名なエピソードは、やはり天孫降臨(てんそんこうりん)したニニギとの話でしょう。国津神であるオオヤマツミから、ニニギは姉のイワナガと妹のサクヤを嫁がされます。しかし、サクヤは容姿に優れていたものの、対照的にイワナガは醜かったとされています。ニニギは、美人のサクヤとだけ結婚し、イワナガをオオヤマツミの元に帰させました。オオヤマツミはこれに怒り、ニニギ(天孫)の子である天皇、引いては人間が短命になるだろうと告げました。これで、私たち人間は、神様に比べて短命になったそうです。

このエピソードは、世界中で見られるバナナ型神話の一つとされています。え…なんでバナナ?と思うかもしれませんが、これは死と短命にまつわる起源神話において、共通するアイテムにバナナがあったためです。神様が人間に対して、石とバナナを示してどちらか一つを選ぶように言う。人間は、食べられるバナナを選ぶが、実は石は不変の象徴であり、これを選べば長命となったという話です。

さすがに日本なのでバナナは出てきませんが、美しいサクヤがすぐに散ってしまう短命の花、醜いイワナガが「岩」という不変で長命の象徴ということで、バナナ型神話に当てはまるのです。それにしても、世界中で偶然?にも同じような神話が誕生するものなのですね。

【ニニギ】

漢字では、「天邇岐志国邇岐志天津日高日子番能邇邇芸命(アメニキシクニニキシアマツヒコヒコホノニニギノミコト)」等と表記されます。な、長い…

アマテラスの孫で、高天原(タカマガハラ)という神様の国から、葦原中国(アシハラノナカツクニ)と呼ばれる地上(今の私達がいる世界)に降り立った神様です。この降り立った出来事を「天孫降臨」といいます。アマテラス(天照)の孫が降りたつ、まさにそのまんまの意味ですね。天孫降臨は、アマテラスが命じたもので、葦原中国を素晴らしい国にすることが目的でした。

そもそも当初降り立つ予定だったのは、ニニギの父であるオシホミミでした。しかし、その時は葦原中国はかなり荒れていて、物騒で降り立つことができなかったのです。まずは葦原中国の平定が先だと、アマテラスが武闘派の天津神であるタケミカヅチを遣わせ、最終的に国津神のオオクニヌシから国譲りを受けて平定したのです。ところが、この平定時点ではニニギが誕生しており、オシホミミは子のニニギの方がいいんじゃないってことでニニギが降り立ったのです。

ニニギは、三種の神器(剣、鏡、勾玉)と複数の神様を従えて、九州の高千穂に降り立ちました。この高千穂ですが、宮崎県の高千穂峡か、霧島連山の高千穂峰(坂本龍馬が新婚旅行で訪れたとして有名な地ですね)のどちらかではないかと言われています(諸説あり)。ニニギらは、途中サルタヒコの案内も受けつつ、南九州を中心に各地を訪れ、宮殿を建てていき国造りを行っていったと言われます。

【ヒルコ】

漢字では、「水蛭子」等と表記されます。

イザナギとイザナミから産まれた神は、アマテラスら三貴神を含め多数いますが、古事記ではヒルコは最初に産まれた神と言われます(日本書紀ではアマテラスたちが先)。

産まれた際に、「わが生める子良くあらず」と言われ、何らかの不具があり、舟に乗せられ流されてしまった不遇の神です。ただ、具体的にどういった問題かは明らかではなく、一説には胎児の形を成しえていなかったのではないかとも。

なぜ不具の子が生まれてしまったかというと、先に女神であるイザナミから男神のイザナギへ声をかけてしまったという、男女が事に及ぶ際の手順に間違いがあったからとされています。どうもここから、女性は男性の後ろに一歩下がってという思想が透けて見えてしまいますね。

さて、流されてしまったヒルコのその後は、古事記・日本書紀には記載されていません。何か酷い話だ…と思うかもしれませんが、捨てられた子が後に英雄などになるという話はよくあります。ヒルコについても、伝承では流れ着いた先で育てられ、七福神のえびす様と同一視する所もあるようです。「えびす」は漢字で「蛭子」と書くことから繋がりがありそうですよね。

【オオクニヌシ】

漢字では「大国主」等と表記されます。

国津神の代表的な神様であり、出雲大社の祭神にもなっています。有名になったのは、何といっても国作りを行い、日本の国土の礎を築いたことによるでしょう。

オオクニヌシが現れるまで、日本の国土は荒れ放題でした。オオクニヌシが国を治めようにも、反発する勢力もありました。オオクニヌシは、スクナヒコナという神と協力し、それはそれは男二人でそれは仲良く…あ、いけませんね。また悪い癖が出るところでした…戦って強引に治めるのではなく、逆に医療や農業といった知恵を授けて懐柔させるのです。そういう部分が人を惹きつけるのかもしれませんね。

日本神話のスーパーヒーローであることは間違いないのでしょうが、英雄色好むというのでしょうか、数々の女神と浮名を流しています。正妻にスセリビメという女神がなったのですが、それまでにもヤガミヒメといった数々の女神とくっついたりしてます。正妻ができた後も、オオクニヌシは別の女神の所に行ったりしていたようで、ヤガミヒメは激しい嫉妬に駆られたそうです。

神仏習合では、「だいこく」と読めることから、七福神の大黒様と同一視されるようになっていきました。大黒様は大きな袋を持った姿で描かれることが多いですが、これは因幡の白兎伝説でオオクニヌシが登場するのですが、その際に大きな荷物を抱えていたことに由来するそうです。また、民間信仰では子宝のご利益があるとされているようですが…モテ男伝説に由来していたりするのかもしれませんね。

【フツヌシ】

漢字では、「経津主神」等と表記されます。

古事記には記載がなく、日本書紀にのみ登場します。イザナギが火の神であるカグヅチを天之尾羽張(アメノオハバリ)という剣で斬った際に出た血が、高天原の河原にある石に滴ったことで生じたとされています。神名の「フツ」は鋭い剣で切り裂く様子を、「ヌシ」が神の意味で、剣刀を神格化したものとしても知られています。

また、タケミカヅチと対にして武神としても扱われ、タケミカヅチと共に葦原の中つ国に降り、その武力を背景に国譲りを受けたとされています。古事記ではタケミカヅチのみが降り立ち、彼が持っていた剣が布都御霊(フツノミタマ)とされています。フツヌシ自体は登場しないものの、日本書紀との類似性が見られますね。

さて、布都御霊という剣ですが、重要な場面でも出てきます。それは、イワレビコ(後の神武天皇)が神武東征という都を日向(宮崎県の高千穂辺り)から東に遷す際の途上、熊野(紀伊半島南部)に到達した際、突如大きな熊が現れ、すぐに姿を消しました。すると、イワレビコや彼に付き添っていた兵士たちが気を失い倒れてしまったのです。この窮地に、タケミカヅチから布都御霊が地上に降ろされ、この剣が振るわれることで、気を失っていた彼らが復活したという話があります。